※ネタバレを含みますのでご注意ください。
佐藤二郎さん主演の映画「名無し」を観てきました。
R12指定でもあり、正直に言うと、かなり過激なシーンの多い映画です。
この作品は佐藤次郎さんの「名無し」が原作です。
原作とは若干の設定の違いがありますが
原作なりの???や面白さがあります。

主人公・山田太郎は見えない武器で人を殺してしまう。
鏡には包丁を持つ姿が映るのに、現実には見えないという不気味な設定。
右手の能力
右手で触れたものを消してしまう特殊な能力を持っています。
- 右手で触れたら全て消える
- 右手で触れられたら命も消える
- ただ名前を知らないものは消すことはできない
物語は無差別殺人を繰り返す太郎の姿と
幼少期からの過去が交錯しながら進んでいきます。
特に印象に残ったのは
MEGUMIさん演じる花子とのエピソード。
太郎は花子との間に、生まれてくる子どもを本当に楽しみにしていて
今までは万引きしたりしてたのに、
真面目に働いて、名前を考えたり、ベビー用品を買ったりと幸せそうでした。
もうすぐ生まれるという頃
花子は「げんかいバイバイ」という言葉を残して姿を消してしまいます。
カレンダーにひらがなで書かれた「げんかい」と書かれたメッセージ
教育を受けれなかったであろう現実…
身勝手な大人たちの都合で、受け入れるしかない子供の現実
そんな背景が見え隠れしていて切なかった
その後も一人で子どもの誕生日を祝う太郎の姿は切なく
能力に苦しみながらも、家族を愛していたことが伝わってきました。
10年後に再会した花子から真実を聞かされ
そこで太郎の心が完全に壊れてしまったように感じます。
そこから始まる無差別殺人…
終盤
自分の息子であろう子供と対面するシーンは印象的でした。
みんなには見えない凶器がその男の子には見える。
そして最後に交わす握手。
そして「死」を迎える。
あの場面で太郎は初めて救われたのかもしれません。
一つ思ったのは
あの男の子は本当に息子だった?
最初は絶対に息子だ!って思ってたけど
そんな幼い子供に「父親殺し」を背負わせるの?と考えたら
もしかして、神様?と思い始めてきた。
途中で太郎が空に向かって
「神様、暇だったら手をつなごう」と言うシーンがあります。
殺人鬼ではありますが
幼いころから苦しんだ太郎に休息を与えに神様が来てくれた?
そう思いたいという願望かもですが…
狂気と殺人に満ちた作品なのに
不思議と切なさが残る映画でした。
何より驚いたのは佐藤二郎さんの演技
これまでのコミカルなイメージとはまったく違う、
孤独と狂気を抱えた男を見事に演じていて、
「俳優ってすごいな」と改めて感じました。
そして、もう一人
山田太郎の幼少期を演じた「和彦」くん
台詞も少ないんだけど、目力のある演技が印象的だった
今後が楽しみな俳優さんです✨
この映画、怖かった。
でも、それだけでは終わらない。
観終わった後もずっと考えさせられる作品でした。
「怖い映画は苦手だけど、人間ドラマが好き」
そんな人にはぜひ観てほしい一本です。
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