※ここからは映画『白鳥とコウモリ』のネタバレを含みます。
これから観る予定の方はご注意ください。
東野圭吾さん原作の『白鳥とコウモリ』を観てきました!
被害者の娘と、加害者の息子。
本来なら交わることなんてないはずの二人が、それぞれ父親に対して感じた違和感から連絡を取り合い、事件の真相を追っていく。
被害者と加害者、その家族が一緒に事件を追う。
この視点がまず面白い。
さすが東野圭吾さん✨
残念ながらもう新しい作品を読むことはできないけれど、東野圭吾さんの作品って、事件そのものだけではなく、その周りにいる人たちの心まで描くから、いつも何かを考えさせられます。
「加害者の家族」というだけで背負わされるもの

加害者の息子には、何の罪もありません。
自分が事件を起こしたわけでもない。
それなのに親が罪を犯したことで、自分の仕事や社会的な立場、これまで築いてきた人生まで危うくなってしまう。
理不尽だと思う。
でも一方で、被害者の家族からすれば「だから何?」なんですよね。
自分の大切な家族を奪われた。
もう二度と帰ってこない。
悲しさも悔しさも怒りもある中で、加害者側の家族の事情まで考えてあげられるのか。
そんな余裕はないと思います。
どちらの立場も分かるからこそ、ものすごく難しい。
「私の知っている父じゃない」

被害者の娘・白石美令は、事件を追ううちに、自分が知っている父親と事件から見えてくる父親の姿に違和感を持ち始めます。
そして真相に近づけば近づくほど、彼女が向き合うことになるのは、決して知りたかったとは言えない事実。
結果的に彼女は、亡くなった父がずっと隠してきた罪まで暴くことになってしまう。
ここが私は一番苦しかった。
みなさんだったらどうしますか?
真実を話す?それとも父を守る?
父親の罪を隠せば、自分は「加害者の家族」にはならずに済む。
これまでの人生も守れるかもしれない。
だけど、そのためには真実を隠さなければならない。
そして、その罪を別の誰かに背負わせることになる。
逆に真実を話せば、自分が愛してきた父親の罪を、自分自身の手で世間にさらすことになる。
……無理だ。
私だったら思考停止すると思う。
何が正しいのかなんて、簡単に決められない。
真実を知ることが必ずしも幸せとは限らないし、正しいことをするためには、自分の人生まで大きく変わってしまうかもしれない。
美波が抱えた葛藤と恐怖は、私には計り知れません。
その気持ちを理解できるのは、彼だったのかもしれない
そして、そんな美波の気持ちを誰より理解できたのが、松村北斗さん演じる倉木和真だったんじゃないかなと思いました。
最初は彼が「加害者の息子」で、美波が「被害者の娘」。
ところが真実が明らかになるにつれて、二人が背負うものは単純に被害者側・加害者側と分けられなくなっていく。
だからこそ、他の人には分からない苦しさを、この二人だけは分かり合える。
なんとも皮肉なんだけど、それがこの作品の救いでもあるように感じました。
最後はちょっと恋愛映画のようにも見えたけれど

エンディングは、少し恋愛ストーリーを思わせるような終わり方。
こういう作品で恋愛要素は必要なのかな?とも一瞬思ったけれど(笑)
この二人なら不思議と「この先、何か進展があってもいいな」と思えました。
恋愛だからというより、お互いにしか理解できないものを抱えた二人だからなのかもしれません。
被害者と加害者。
その言葉だけなら、はっきり二つに分かれているように見える。
でも、その周りにいる家族まで含めた時、そんなに簡単に白と黒には分けられない。
だからタイトルが『白鳥とコウモリ』なのかな……なんてことまで考えてしまいました。
もし自分が美波だったら、真実を公表できるのか。
愛する父親の罪を暴けるのか?
誰かに罪を背負わせてまで、自分の人生を守れるのか。
観終わったあとも答えは出ません。
たぶん私は……やっぱり思考停止する😂
でも、簡単に答えが出ないからこそ、心に残る作品なんでしょうね。
東野圭吾さん、また今回も、事件の謎以上に「人間って何だろう」を考えさせられました。
そして、今回のロケ地!
愛知県が多い!名古屋、常滑、安城、岡崎!
知ってる名前が出てきて「おっ!」ってなりました✨

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